黒猫眠り姫〔上〕[完]
「カッコイイ?」
疑問文にしたのはこんなので喜ぶのだろうかと
いう不安。
「鈴ってカッコイイとか言うキャラ?」
と目を輝かせる桐。
「桐はやっぱり可愛いの分類じゃない?
カッコイイなんて言うんじゃなかった。」
なんて、落ち込んでいると、
「鈴は、カッコイイとかって思うの?」
と言う尚の質問に固まった。
他の二人つまり湊と桐を見ると、
どうなのという視線でわたしを見る。
「えっと・・」
言葉に繋ぐ。
えっと、一応カッコイイとは思う気がする。
だけど、そんなに口に出したりしないから
いつもより緊張。
「どうなの?」
桐はどんどん詰め寄るがごとく聞いてくる。
「えっと・・その・思ぅょ。」
小さな声で言った。
聞えてなければいいなって思ってたのに
どうしてそういう時って聞えちゃうんだろう。
「へ~。」
と言う湊。
「そうなんだ。」
尚はどうやら気になっていたんだね。
「ほーぅ。」
桐のほっぺを抓りたくなった。
「何その反応。
これでも生きてるんだ。
それぐらい思うよ。」
ムッとなりながらそう言うと
湊がにこっと微笑む。
「鈴にカッコイイって思われる
なんて相当カッコイイんだろうね。」
と桐に言う湊。
「カッコイイって別に格好とか顔で
思うわけじゃないよ。その・・・行動
とか。」
と曖昧に言うと桐は食いついてきた。
「それじゃ、俺カッコイイよな。」
何の自身?
その自信に尊敬だよ。