黒猫眠り姫〔上〕[完]
静かすぎるこの夜はいくらなんでも不気味で、
どうしようもなく不安にさせる。
もう喋ってしまえば、こうやって悩まずにすむ。
楽を求める私はこの時自分のことばかりを
考えていて忘れてた。
自分の立場が危ういもので簡単に崩れるには
戻しようのないところまできてた。
やっぱり私はいつまで経っても変わらない。
そう思わせる日がもうすぐそこに迫っている
ことは知る由もなく、何の構えもなく、突然
果てしない絶望感を与える。
闇は絶対に消えないんだ。
どう足掻いても付きまとう。
どうせなら幸せも居場所も知らないあの頃
ならまだ受け止められてた。
知らないところで真実は交差して、
人を苦しめる。
真っ暗な暗闇はまだ私を支配していて、
光さえ見失うぐらいそれはもう染みこんでいた。
まだ弱さに怯える私にはどうにもならないことで、
今度こそ自分を大嫌いになりそう。
気付かない内はまだ幸せで、
儚くも夢のようだった。