黒猫眠り姫〔上〕[完]

黒猫の感情


「鈴?」

「・・・・・・・・」

「鈴ちゃん?」

「・・・・・・・・」

「ご飯なしだよ。」

「おはよう。」

そんなふうに起きる。

夏休みが始まった今日はいつもより

起きるのが遅くて・・・・

「桐・・・来てたんだ。」

「来てちゃ悪いかよ!?」

起きるとすぐに現れた桐に

がっかりした。

「早くご飯食えよ。」

桐に急かされるともっとやる気を

失う。

「遅い。」

席に着く桐に怒られる。

「そんなに急ぎたくない。」

せっかくの夏休みはのんびり

まったり過ごしたい。

「今日は約束してた通り、

海に行くんだぞ?」

そういえば・・・

かなり前に言ってた気がする。

いつだったかな?

「準備してない。」

そんなの忘れてたし、

期末で忙しかった。

それだから、ゆっくりしたかった。

「約束は守るためにあるものです。」

1人ごちゃごちゃ言う桐。

「湊、仕事は?」

確か昨日は徹夜だったはず。

「今日のために昨日終わらせたんだよ。」

そういう湊はにっこりと笑う。

「桐、行こう。」

湊が全てな私。

何よりも湊が優先される。

それはご主人様に忠実ということ。
< 318 / 344 >

この作品をシェア

pagetop