黒猫眠り姫〔上〕[完]

「これは一種のよしよしみたいな?」

そんなこと聞かれても知らないよ。

湊はどう思ってしてくれてるの?

「鈴ってある意味すごい馬鹿?」

桐に言われたらやってけないと思う。

「私どこかで殺意芽生えた。」

「怖いこと言うなよ。」

桐が顔を青くして言うから笑っちゃう。

「桐ってホント湊と真逆だね。」

「性格か?」

桐が考え事するみたいに言う。

「それもあるけど・・・」

基本どこも違う。

桐はどっちかというと待つことは出来ない人

だと思う。待つぐらいなら自分から動き出すような

人だと思うの。

でも、湊は違う。

待つって言ったら来るまで待つ。

「桐は湊よりも行動力ある人だと思う。

でも、湊は桐よりも我慢強い人な気がする。」

「あー。それ当たってるかも。」

桐がハンドルを強く握る。

「そうだね。桐は我慢するの昔から出来ない

人だったからね。」

湊がにっこり笑う。

「湊はいつも待ってるばっかりだけどな。」

お互い知りあってるこの2人を見てると

すごい信頼感だなって思う。

「でも、性格も違うけど他にも違う。

オーラっていうのかな?

桐は居ると楽しいけど、

居ないと寂しくなる。

湊は居ると落ち着くし

居ないと不安になるの。」

これはオーラって言わないけど

何か不思議と雰囲気が好き。

「それって鈴の思ってること?」

湊が驚いたかのように聞く。

「そうだけど?」

どうしたのだろう?

湊は私にそう思われるの嫌なのかな?
< 325 / 344 >

この作品をシェア

pagetop