黒猫眠り姫〔上〕[完]
「これは一種のよしよしみたいな?」
そんなこと聞かれても知らないよ。
湊はどう思ってしてくれてるの?
「鈴ってある意味すごい馬鹿?」
桐に言われたらやってけないと思う。
「私どこかで殺意芽生えた。」
「怖いこと言うなよ。」
桐が顔を青くして言うから笑っちゃう。
「桐ってホント湊と真逆だね。」
「性格か?」
桐が考え事するみたいに言う。
「それもあるけど・・・」
基本どこも違う。
桐はどっちかというと待つことは出来ない人
だと思う。待つぐらいなら自分から動き出すような
人だと思うの。
でも、湊は違う。
待つって言ったら来るまで待つ。
「桐は湊よりも行動力ある人だと思う。
でも、湊は桐よりも我慢強い人な気がする。」
「あー。それ当たってるかも。」
桐がハンドルを強く握る。
「そうだね。桐は我慢するの昔から出来ない
人だったからね。」
湊がにっこり笑う。
「湊はいつも待ってるばっかりだけどな。」
お互い知りあってるこの2人を見てると
すごい信頼感だなって思う。
「でも、性格も違うけど他にも違う。
オーラっていうのかな?
桐は居ると楽しいけど、
居ないと寂しくなる。
湊は居ると落ち着くし
居ないと不安になるの。」
これはオーラって言わないけど
何か不思議と雰囲気が好き。
「それって鈴の思ってること?」
湊が驚いたかのように聞く。
「そうだけど?」
どうしたのだろう?
湊は私にそう思われるの嫌なのかな?