黒猫眠り姫〔上〕[完]
「ねぇ、尚と満は?」
「今、迎えに行ってるから。」
「来るんだ。」
「ん?」
何か、意外だ。
尚も満も海ってキャラじゃないだろう。
もちろん、湊も桐も違う。
けど、思う。
私が思ってるほど、人間容姿だけじゃないと。
確かに、4人とも美形だし、文句の付け所が
見当たらない。
モテて当たり前だとも思う。
でも、そういう人って大体性格が捻くれてたり
悪役が多いと思ってた。
いわゆる、世間の目だが、私もそう信じて
疑わなかった。
決まりごとのように浸透してたと思う。
私が生きてきた人生の中で、
容姿を武器にして人間の最悪の場面を
何度か目撃してた。
だから、思う。
それは、やっぱりどこか私の決めつけだと。
人間だからって思いも、顔が良ければって考えで
人を悪く評価するそんな自分のくせを直したいと
思った。
尚も満もきっと私のためだ。
自惚れだったらまだ全然いいけど、
私はそう思う。
すごく人間な彼らには私は
理解不能な生き物かもしれない。
私、自身彼らを理解してるとは
言わない。
ホント言うと、全然分からない。
意味分からない。
私に関わったってロクなことないのに
何でそんな構ってくれるんだ?
不吉だと言われるし、愛想も
いいわけじゃない、人を毛嫌いするところも
全然駄目なところだと思う。
だから、そんな私の傍に居てくれる
彼らは人間の中でもいい人たちなんだと思う。