黒猫眠り姫〔上〕[完]
歩くたび、聞えるのは黄色い声。
「あの人、カッコイイね。」
「モデルの人かも。」
「声かけたいけど、女の子と一緒だ。」
「あれ、彼女?」
何か、すごい言われよう。
桐ってモテそうだしね。
大変だね。
「桐、モテモテ。」
「嬉しかねぇーな。」
そうなの?
普通は嬉しく思うものじゃないの?
「贅沢者。」
「はぁ?」
んっ。
いい匂いがする。
「あれ、見たい。」
「いきなり、話変わりすぎだろ!!」
「美味しそう。」
焼きそばとかフランクフルトやら
カキ氷やら売ってる。
ここは何だろう?
スーパーじゃないけど、
食べ物売ってる。
「よしっ。」
桐がズンズン進んでく。
「焼きそば買ってくか?」
「うん。」
「すいません。
焼きそば5つお願いします。」
焼きそばを作ってもらってる
内に、桐とお喋りしてた。
「お待たせ。」
少し焼けた肌のお兄さんが、
桐に袋を渡した。
「他に食いたいものあるか?」
「アイス。」
「買うか。」
桐がアイスも頼んでくれた。
買ってもらったアイスをおとなしく
食べる。