黒猫眠り姫〔上〕[完]
「美味いか?」
「ん。食べる?」
アイスを差し出す。
「俺はいい。」
「ふーん。」
座って食べてるけど、
「桐、何頼んだの?」
「コーラ。」
ここは海だからなのかもしんないけど、
カップルが多い。
「お昼になったら、海少しだけ入ろうぜ?」
「ん。いいよ。でも、泳げない。」
「かなづちか?」
「泳いだことないから。」
「そうだったな。浮き輪あるし、大丈夫だろ。」
「それならいいけど。」
桐って何気に気を使ってくれる。
「行くか?」
「うん。」
再び、桐の後ろを引っ張って、
お喋りしながら戻った。
「うわっ。」
戻ると、尚も満も居たけど、
「女が多いじゃねーか!?」
パラソル周辺は、ギラギラ目を光らせる
女が多かった。
露出狂っていうのか?
ビキニ姿でウロウロしてる人が多いのは
海の特徴なのかもしれないけど、
あれは絶対にそれだけじゃないと思う。
「ようっ。」
焼きそばを湊に差し出す桐。
「鈴、はい。」
焼きそばを配布された。
さっき、アイス食べたし、
そんなに食べきれない。
少しは食べたものの、
「もういいの?」
湊は不思議そうに顔を覗かした。