黒猫眠り姫〔上〕[完]
今鈴が一番辛いことなんて分かりきって
いて、どうしようもないぐらい心配で
おかしくなりそうな気持ちを隣に居る
桐に知られないように必死で笑えてしまう。
はっきりいって、今まで、女の子に困った
こともなくて、それなりに接してきたけど
鈴はどの女の子とも違ってよく分からなく
てただ、一緒に居たいと思う気持ちが日に
日に強くなる。まだ、出会って少ししか
経っていないけど、鈴といると落ち着いて
いる自分がいるような気がして、この感情の
意味もよくわからなくてどうしていいか
わからなくなる。
わからないことが、まだたくさんあるけど、
少しずつ知っていけたらいいなと思った。
そんなことを考えながら、少し焦ってる
自分を落ち着かせてタオルを持って、
桐と一緒に鈴を探した。
でも、どんなに探しても見つからなくて
不安になった、それで、はっと気づいた。