黒猫眠り姫〔上〕[完]
鈴と初めて出会ったあの場所なら、
君は居るんじゃないだろうか。
雨は、激しく地面に打ちつける。
そんな雨を見て途端に心配になる。
さっきもバケツで水をかぶったら
しいことを桐が言っていた。
暗い空が、心をかき乱す。
どうか、君が無事で居てくれますように。
風邪は確実に引いているだろう。
それでも、無事に君に会えたらそれで
十分で、風邪引いたら、看病してあげる
から、早く君に会いたい。
それで、君に温かいココアを出して、
ゆっくり小説を書きながら、君の
ことを看病して、いつもと変わらない
ようにテレビを見て、ご飯を一緒に
食べて、一緒に眠りについてそれが
出来ることを願いながら、公園に
向かった。
君と初めて会ったあの公園に。