黒猫眠り姫〔上〕[完]
眠さと熱っぽさから頭がぼーっとする。
湊は机でパソコンをいじったままだ。
「・・湊、昨日寝てないの?」
「あ、起きた?もう、お昼だよ。
お粥つくるね。昨日は寝たけど?」
「そうなんだ。私寝すぎ?」
「まぁ、まだ熱下がってないから
いんじゃないかな。」
「うーん。」
寝すぎた頭をぼーっとしながら、
台所に行くと湊がお粥を出して
くれた。あまり食欲がないため、
食べれなかったが、湊の作った
お粥は全部たいらげてしまった。
「鈴?お中空いてるの?」
「・・?わからない。」
「くくっ、薬飲みなよ。」
笑いながら、ご飯を食べる湊を
みてどうして笑っているのか気になった
が追求せずにおとなしく、薬を飲みベット
に入る。眠りにつくのは意外と早いものだ
った。気がつくと桐の笑い声で、
目を覚ましていた。
「おっ、鈴。どう?熱は。」
「うーん。あつい。」
「そっか。可哀想だな。」
「思ってないでしょ。」
「そんなことねぇーから。ほら、ゼリー
とか果物いっぱい持ってきたから。」
「・・ありがとう。」
そう言うとにっかと笑って得意げに
鼻をさすった。