黒猫眠り姫〔上〕[完]
湊はパソコンに向かい真剣な表情。
桐は、私に付き合いくだらない話を
していた。こんな二人だけど、すごく
温かく感じた。こんなに人に頼ること
なんて初めてで。なんか変な感じがした。
いつもは、風邪を引くと一人で部屋に
こもり、ずっとベットで寝ていたから
二人が心配してくれたときは嬉しかった。
桐と話しながらそんなことを考えて
いると湊が夕飯を作ってくれたみたい
で台所に行くといい匂いがした。
「鈴。今日も食べれそう?」
「うん。食べれる。」
「わかった。今皿に入れるから
待ってて。」
「うん。」
「俺のは??」
「桐は自分でやりな。」
「え~湊の意地悪ー。」
「きーり。」
微かに、桐を鋭い目で見る湊に
頬が緩んだ。