黒猫眠り姫〔上〕[完]
前は、一人だけで食べる気もしなくて、
ご飯の時間が嫌いだった。
コンビ二弁当の味気なさにいつも最後
まで食べられず、捨てていたような気
もした。だから、湊と桐と他愛無いこの
夕食の時間がすごく好きになった。
「鈴、公園で湊とどうだったの?」
「へっ。」
「その反応、なんかあったと見たよ。」
湊は食器の片付けをしてまたパソコンと
にらめっこ状態だ。いつもは、食器の片
付けは、私の番だが、風邪ということで
やるといって代わってくれた。
「桐には関係な」
「あるよ。俺、やっぱ二人にはお世話に
なってるって言うか今回の原因は俺の日
頃の行いのせいなわけでもあるし、あの時
はまじで、俺が傷つけたしだから、ほんと
言うと湊が来てくれて俺は悪くないって
言ってくれた時はすげー重荷が取れて、
だけど、鈴のことが心配で。あーもう
わけわかんねぇーけど俺、お前らのこと
は、一番の見方になりてーってことで。」
「うん。桐の言いたいことわかったよ。
ありがとう。もう、桐は見方だよ。
私のこと心配してくれて、探しに来て
くれて熱の時だってそばにいてくれた。」
桐に向かってにこっと笑いながら話す。