黒猫眠り姫〔上〕[完]
授業は、どんどん進んでいく。
内容は、指数関数。もう、知っている
範囲で、またもやつまらない。
勉強は、ずっとやってきた。
小さい頃も親に認めてほしくて頑張って
いて、親の帰って来ない日が、多く、ず
っと勉強をしていた。だから、大学の
勉強もだいぶ頭に入っている。
高校に通っているのは、卒業の資格が
欲しいだけ。それがなかったら、絶対
こんなところ来ない。
そんなことを、考えていると、先生に
呼ばれた。
「黒野さん。起きなさい。この問題を
解きなさい。」
ふふっと勝ち誇った顔がなんだか皮肉だ。
黒板には、大学の習う数式が黒板に
書かれている。
もちろん余裕で解ける。
クラスの人たちがにやにや笑っている。
このクラスで二番目に頭のいい丸岡さんも
分からない様子。
席を立って、黒板に向かう中ヒソヒソ
話す声が飛び交う。
すらすらと問題を解く。書き終わったとき
には、教室は静まり返り、先生は、顔を
赤くしていた。なんだか、笑ってしまう
この光景に居た堪れなくなり、自分の
席に戻った。