黒猫眠り姫〔上〕[完]

しばらくするとチャイムの音が教室に

響き渡り、教室から出た。

行き先は保健室。

「失礼します。」

「どうしたの?」

可愛らしい小柄の女の先生がそこに

居た。生徒でも間違いなく平気だ。

「あ。気分悪いので。」

「そう。風邪引いてたもんね。」

「ゆっくりしていってね。」

「はい。ありがとうございます。」

「お昼は平気?パンでもよければ

買いにいくけど?」

「あっ、大丈夫です。気にしないで

ください。」

「そんなことできないよ。あなた、

もう少し人に頼ったら?」

「へっ。」

「私。今年度初めて学校の保健の

先生になったの。年齢は、23歳。

あなたよりは上だけら、なんかあったら

一人で考えこまなくてもいいのよ。」

「・・・・・・」

「黒野さん?あのー」

「あの、鈴です。よろしくお願いします。」

「はいっ。私、江藤菜穂。よろしくね鈴ちゃ

ん。」

「あの、たまにここ来ていいですか?」

「もっちろん!!遊びに来てね。」

「はい。お腹空きました。購買行って

きます。先生は?」

「あ、じゃ、クリームパンと焼きそばパン

お願いしてもいいですか?」

「はい。」
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