黒猫眠り姫〔上〕[完]
「そんなこと言われたことない。」
「でも、最近は何だか落ち着いた気が
する。前よりはずっといい顔してる。」
「そうですか?」
「それは、きっと鈴ちゃんの周りが変わ
ったからだと思ってもいいのかな?」
「どうでしょう?だけど、前よりずっと
人を好きになれてる気がします。
まぁ、懐き具合ですけど。」
「懐き具合?」
「はい。私、ねこっぽいと言われてます
けど、自分自身なんとなく思うんです。」
「そっか。確かに鈴ちゃん猫っぽいね。」
「何だか、少しすっきりしました。」
「そう??」
「はい。ありがとうございました。」
「いいえ。私ばっかり話してただけ
だから。」
「そんなことないです。でも、菜穂ちゃん
は、孤独を感じた時どうしたんですか?」
「・・あー痛いとこ突いてくるね。」
「何だか気になって。」
「それは、また今度でいいかな?」
「あっはい。ごめんなさい。言いたく
ないことなら・・」
「いいの。私も話したいから。」
「そうですか?」
「うん。鈴ちゃんには言えそうだな。」
「えっ。」