黒猫眠り姫〔上〕[完]
保健室を出ると生徒の数はほとんどなく
教室に向かった。一時間サボってしまった
けど、すごくスッキリして心は少し晴れた
気がした。まばらの生徒の中一人ポツンと
置いてきぼりになっている気がした。
胸の置くがどこか苦しくなる。やっぱり、
現実そう甘くない。一定の距離を保つ
生徒たちは、どんなふうに思って離れている
のかも分からないからどうしようもない。
こんなこと言うと自分を否定するようで
嫌になる。本鈴がなる前にと急いで教室
に入る。入ると変わる空気に淀んでいる
ような気がした。静まり返る教室に私の
居場所はなくて沈んだ体を宥めながらも、
考えることは、さっき話していたこと。
全く考えていなかった。自分の味方は
誰もいないと決め込んでいたから、一人に
なることの怖さなんて知らなかった。
ずっと、一人でも平気だと思ったから、
誰かに甘えることなんて出来なくて気づい
たら、一人ぼっちの世界にいた。
誰かに甘えることに怖がっている。
今までだって、ずっとそうやって生きて
きて誰かに頼ることは迷惑なんだと思いきか
せて、避けてきた。世界の中にたった一人で
いるきになって自分で壁を作っていた。