黒猫眠り姫〔上〕[完]
部屋に入ると、人が4人ぐらい入りそうな
大きなベットとたくさんの本、デスクにパソ
コンとにらめっこ状態の私のご主人様。
「何の仕事してるの?」
普段は、人に干渉するようなことは言わない
だけど、この部屋といい謎に包まれたご主人
様のことが知りたくなった。
「んー小説家だよ。そこにある棚の上から
3段目にあるのは、全部僕が書いた小説、
ちなみに、それ本名じゃないから。」
その本たちに書かれてあった名前は、水下
空と書かれていた。
「じゃ、なんて名前?」
「柏木 湊(かしわぎ そう)ちなみに
22歳。小説家になったのは19の時。」
「意外と若いんだ。」
「じゃ、何歳ぐらいだと思ったの?」
「なんか、大人っぽいような気がしたから。」
「大人っぽいかぁ、初めて言われたかも。
自分では結構、子供っぽいと思うけどね。」
そういうと微笑みながら、パソコンに文字を
打ち始めた。静かな部屋にキボードの音が
響く。