黒猫眠り姫〔上〕[完]
謎に包まれた過去
放課後の教室、何かを忘れているような
気がしてなかなか帰れない。
頭を抱えながらも教室を出て玄関に向かう。
金髪姿の彼に気づきやっと思い出す。
今日の放課後は尚との約束があった。
「鈴ー。」
「ごめん。・・・・」
「忘れてた??」
「・・・・・・」
「ふはははは。」
「何で笑うの?」
「やー鈴っぽいなと思って。」
「何それ?」
「まぁ、それはいいとして何時ぐらいまでと
か門限ある?」
「ふふ。」
「えっ、今のところどこもおかしくないかと
思うんだけど・・」
「尚って金髪だからもっとチャラいのかと
思ってたから、女の子に門限聞くとか予想
外だから面白くて。」
「ひっどー。でも、良かったなんか今日は
特に元気なさそうだったから。」
「・・ごめん。心配した?」
「するよ。」
「・・・・ごめんね・・・・」
「いいよ。心配するのが役目ですから。」
「何ですかそれ?」
「えー敬語!?鈴敬語しゃべれるんだね。」