黒猫眠り姫〔上〕[完]
「もちろん!!免許見る?」
「ううん。いい。尚を信じよう。」
「じゃ、飛ばすから捕まってて。」
「・・・・・・・・はい。」
ギュンとハンドルが回る音がしながら、
尚の腰に手を回しながらどうか無事に
着きますようにと願った。
~数十分後~
体から魂が抜けるような気がした。
着いた先は、倉庫のような所。
「・・・ここは・・・・?」
「鈴にはさ、言いたいことあって。」
「うん。」
「周りを気にしないで、自分の道を
切り抜ける鈴がすごく羨ましかった。」
「・・・・・・」
「鈴には何かあるんだろ?」
「・・・・・・・」
「周りの言ってることじゃ信じられないから
鈴の口から聞こうと思ってた。」
「うん。」
「俺も鈴とは違うところで辛いと思ってる
ことあるから、鈴がすごく気になってて。」
「・・・・・・・」
「鈴の心の中に暗闇があるように、俺も
あって詳しくはまだ言えないけど、聞いて
欲しいことは本当のことで。」