黒猫眠り姫〔上〕[完]
「甘いの好きなの?」
「うん。大好きだよ。尚は嫌い?」
「うーん。どうなんだろう。その時の
気分によるかな。」
「へぇーむずかしいね。」
「ほんと鈴って自由だな。」
「なんか文句あるの?」
「いやーないよ。」
「尚?」
「ん?」
「教えてくれてありがとう。私もいつか
尚に話せるようになれたら言うね。」
「・・・・・・」
「尚もそれだけじゃないでしょ?」
「・・・・・・・」
「さっきと立場逆転だね。でも、尚を
知れた気がして嬉しい。」
「・・・・・・・」
「過去は変えられないから今がある、
今があるのは過去なしではないと思う
だから、どんなに辛くても向き合わないと
いけないのかもしれない。だけど、その過去
に触れると苦しくなる。」
「・・・・・・・・」
「まだ、言えなくてもきっと尚なら言って
くれるって信じて気長に待つよ。」
「鈴のその性格好きだわ。」
「????????」