黒猫眠り姫〔上〕[完]
「いいよ。ご飯食べようぜ。」
「えっ、まだ食べてなかったの?」
「あたりまえだろ。」
「一緒に食うんだろ。」
「なんか、ほんとに申し訳ない。」
「いいって。今から温め直すから。」
「「はーい」」
そう言うと湊は台所のほうに行った。
「何かあったのか。」
「桐。」
「どうした?」
「ごめん。なんでもない。」
「言いたくねぇならいいけど、俺話聞く
から。だからその、」
「わかってるよ。」
「今日は、いろいろありすぎて頭がパンク
しそう。」
「だから、また今度聞いて。」
「わかった。聞かせろよ。」
「うん。あのさ、桐にもあるの?」
「んー、何が。」
「桐にも誰にも言えないこと。」
「・・・・・あるかもな。」
「そっか。」
「まじで、大丈夫?」
「うん。至って普通。」
「俺さぁ、湊も鈴も大事だからな。」
「うん。」
「だから、力にはなりたいから。」
「俺のことも何れは知ってほしい。」
「・・・・うん。」