黒猫眠り姫〔上〕[完]

「いいよ。ご飯食べようぜ。」

「えっ、まだ食べてなかったの?」

「あたりまえだろ。」

「一緒に食うんだろ。」

「なんか、ほんとに申し訳ない。」

「いいって。今から温め直すから。」

「「はーい」」

そう言うと湊は台所のほうに行った。

「何かあったのか。」

「桐。」

「どうした?」

「ごめん。なんでもない。」

「言いたくねぇならいいけど、俺話聞く

から。だからその、」

「わかってるよ。」

「今日は、いろいろありすぎて頭がパンク

しそう。」

「だから、また今度聞いて。」

「わかった。聞かせろよ。」

「うん。あのさ、桐にもあるの?」

「んー、何が。」

「桐にも誰にも言えないこと。」

「・・・・・あるかもな。」

「そっか。」

「まじで、大丈夫?」

「うん。至って普通。」

「俺さぁ、湊も鈴も大事だからな。」

「うん。」

「だから、力にはなりたいから。」

「俺のことも何れは知ってほしい。」

「・・・・うん。」

< 81 / 344 >

この作品をシェア

pagetop