黒猫眠り姫〔上〕[完]
誘惑のネオン
今日は、いつの間にかあっという間に
過ぎていた。
なんだか、保健室に来るのも意外と、
気が楽になって今日も行った。
尚には、会うこともなくて、
はっと気づいたら、家に着いていた。
今まで、何にも考えることが出来なくて、
昨日の夜、湊がいつも頭を撫でてくれるのに
それがなかったとか朝起きるとご飯を置いて
出かけていたとかで考えてもわからなかった。
自分で何か湊に悪いことをしてしまったのか
とか考えてることは湊ばっかりだった。
「ただいま。」
「「おかえり。」」
「桐早いねー。」
「何それ。俺来るなみたいな。」
「そんなこと言ってないよ。」
「まぁ、そうだけど。」
「何か不満?」
「うん。不満。」
「何?」
「いや~鈴が俺に接する態度。」
「・・・・・・・」
「シカト?」
「湊。」
「ん?」
「仕事大丈夫?」
「うん。平気だよ。どうしたの?」
「とくに何もないけど、はいっ。」
「えっ。」
「チョコ。」
「ありがとう。」
「購買で売ってたからなんとなく。」
「ふはは。」
「湊?」
「・・ごめん。ごめん。」