私の歩く道
「よろしく」



一言そういわれただけ。


最初は、無愛想な人だな、とおもってた。



でも、その人は、学校内でも有名なモテ男くんだった。



私はそんな人は興味がなかった。



でも、その日、一瞬にして恋に落ちた。



席替えが終わり、みんな帰る用意をしていた。



私もみんな同様、変える準備に取り掛かった。



だが、道具箱を落としてしまった。


私の小学校では、道具箱を机の中に入れておく決まりがあった。



床に散乱したものたち。


はさみにのり、定規に折り紙、色鉛筆…


さまざまなものが落ちた。



そのとき、隣の席になった彼は拾ってくれた。



そんな行動、誰にでも見られるもの。



「ありがとう。」


私が言うと。


「うん」


とだけ言ってそのまま道具を拾い続ける彼。



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