恋詩
さよなら
「これで最後だから」
画面に写るその文字が今もまぶたに焼き付いている。
手を離したのはあたし。
涙なんか流さない。
きっと辛いのは彼のほう。
あたしが泣くのは間違ってる。
あたしが悪いの。
全部あたしが…。
好きじゃないわけじゃなかった。
でも好きじゃなかった。
好きになれなかった。
友達には戻らない。
戻ろうと思えば戻れる。
でも悲しいだけだから。
よけい傷つけるだけだから。
だから、もう会うことはない。
きれいには終わらせない。
できるだけひどく。
嫌われるくらいに。
それが君へできる最後の優しさ。