彩葉唄
翌日‥
-昨夜も盗賊団が現れたらしいぞ-
-またなのか!?-
-朝廷の者達は、
また捕まえ損ねたらしい-
貴族達の間では昨夜の出来事が噂として流れていた。毎夜現れる盗賊団に、貴族達は恐怖で震えていた。
盗賊団は邸を荒らし、宝を奪い、人を傷つける者。恐れられても、何ら不思議はないのだ。
そんな中、道を歩いている者が二人。
一人は、漆黒の漆のような長い髪をつむじの辺りで結い纏めている。
背丈は高く、細身な体には筋肉がついていて無駄がない。切れ長の瞳は鋭利な刃物のように鋭い。