彩葉唄
 
「俺は‥「霧夜先輩っ!」‥っ英総!?」
 
木々の中から英総の声が、足音と共に聞こえてくる。
近くなる音を聞きながら、霧夜は今此処に英総が来ると面倒なことに必ずなると悟った。今、霧夜の目の前には彩葉が居るのだ。英総のことだから、彩葉の姿を見つけると直ぐに刀を抜くだろう。
どうしようかと悩んでいる間にも、英総との距離は短くなってきている。
 
このままでは、直ぐに見付かる‥!
 
「霧夜先輩、見つけましたよ」
 
声が聞こえてきた方向を向くと、そこには英総が居た。
 
「英総‥お前っ、待っていろと言っただろう!」
 
「そんなことは知りません」
 
そう言うと、英総はプイッとそっぽを向いた。が、霧夜がそれを許すわけない。
霧夜は英総のこめかみをグリグリとする。手加減は無しで、本気だ。←

 
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