彩葉唄

今の季節は桜が満開で、とても綺麗だ。
桜が舞い、空を桃色に染めあげる。
桜を見ていた霧夜は、ふと、桜の木の下に居る人物に気がついた。
その人物は衣を頭から目深に被っており、僅かに見えるその横顔は、美しい女子。
その女子は桜の木の傍にある茨木に衣が引っ掛かったようで、茨木に触れようとしていた。

「おい、その花には刺があって危険だぞ!」

「知ってるよ」

霧夜は女子の声を聞くと、懐かしいような感覚を覚えた。

「この花‥茨木は‥‥」
 
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