愛してる、ただそれだけで
言葉
act2.≪言葉≫
付き合おうとか
好きとか
そんな言葉はなかった。
こんな関係になったことに、
疑問を感じたこともない。
自然の流れ。
流れに逆らわないまま来たら、
ここまで流れ着いた。
「好きだよ」
流れるように、口を出た言葉。
驚いて更に見開かれる、大きな瞳。
「…どないしたん、急に」
自分でもそう思う。
こんな言葉、
今まで言ったことなんて
言おうと思ったことなんて、
一度もなかったのに。