ねえ、もう一度。
Girls
毎日の楽しみはお昼休み。だって、食べることって幸せじゃない?勉強なんておまけ。私はお弁当を食べに学校に来ているといっても過言ではない。
「いっただきまーす」
「比奈って食べてる時幸せそうだよね」
「滅茶苦茶しあわせ。」
から揚げを頬張りながら
聡子と楽しいおしゃべり。
と、そんな幸せな時間はあっという間に終わりを告げた。
「…あんなん女じゃねぇだろ。お前、目可笑しいんじゃね。」
微かに聞こえた奏の声。
一緒にいるのは違うクラスの友達だろう。
奏の声ははっきり聞こえるのに
その友達の声はさっぱりだ。
なんだか声を荒げて、講義している様子。
「奏君珍しく焦ってる。なんだか可愛い。」
「…何処が?聡子なんにも分かってない!」
そう言いながらもちょっと気になる私。
椅子から立ち上がり声を上げる奏。
そして奏の手がゆっくりと私を指差す。
「え…あ、あたし?」
「ふふ。」
聡子は何かに気が付いたのかふふふと笑いを落とす。
「スッピンだぜ?お前、家でのアイツ見たことある?最悪だっての」
カチン。
ちょっと待て。
箸を握り締めた。
私の話題かい!!しかも何?
最悪って…!
「…」
私は怒りを通り越してなんだか悲しくなった。仮にも好きな人に言われて傷つかないわけがない。可愛くない事くらい知ってるけどさっ。
そんな声を荒げて言うことないじゃない!
ふと奏と目が合ったが、私は反射的に逸らしてしまった。
「比奈。」
「…ううっ。別にいいもん」
聡子はそんな私を見て何かを思いついたのかにやり笑った。