白の世界
一輝
あたしが一輝に会ったのは、10月も終わりかけの肌寒い日だった。
その日あたしは、西荻窪のライブハウスに、自分のバンドの仲間、可奈とパンクのイベントを見に来ていた。
その日のイベントは、日頃から仲の良いバンドが出ていたこともあり、あたしも可奈も早くから、発泡酒を数本あけてしまい、かなり上機嫌だった。
ライブハウスでアルコールを買うと、酒屋の倍くらいの値がするので、皆ライブハウスから歩いてほど近いコンビニで買うのが決まり事のようになっていた。
ご機嫌になったあたしたちがアルコールを調達しにコンビニへ行った時に、出会ったのだ一輝に。
「おつかれ~。」
そう言って右手に持っていた発泡酒の缶を、前方にいた男子に可奈は掲げてみせた。
「あ、おつかれっす。」
少しうつ向き気味で、前に居た男子も小さく自分の持っていた発泡酒の缶を挙げてみせる。
「咲、いつも話してる噂のイケメン一輝くん。咲は会うの初めてだよね?」
「あ、うん。咲です。CHERRY COKE HIGEでギターやっています。あ、あの一輝くんの話しは前から聞いていて…。」
「どんな話しだろ~、可奈さんどんな話ししてるんですか。」
「いや、なかなか一輝くんみたいなイケメンてこのジャンル居ないから、いつもスタジオの練習の時に噂するんだよね。」
可奈はぺろっと舌を出して、笑ってみせる。
その後、可奈と一輝はコンビニの前で、少しの間立ち話をしていた。
初めてみた一輝は、噂通りの鼻筋が通った綺麗な顔立ちをしていて、切れ長なのだかくっきりと二重に刻まれた瞳が印象的だった。
ナイロン製の上着を羽織って、自分で切り裂いたのであろうたっぷりとしたデニムをはいていて、腰には骸骨のヘッドが連なったチェーンをぶらさげていた。はきつぶされたマーチンが、とても良く似合っていた。
その日あたしは、西荻窪のライブハウスに、自分のバンドの仲間、可奈とパンクのイベントを見に来ていた。
その日のイベントは、日頃から仲の良いバンドが出ていたこともあり、あたしも可奈も早くから、発泡酒を数本あけてしまい、かなり上機嫌だった。
ライブハウスでアルコールを買うと、酒屋の倍くらいの値がするので、皆ライブハウスから歩いてほど近いコンビニで買うのが決まり事のようになっていた。
ご機嫌になったあたしたちがアルコールを調達しにコンビニへ行った時に、出会ったのだ一輝に。
「おつかれ~。」
そう言って右手に持っていた発泡酒の缶を、前方にいた男子に可奈は掲げてみせた。
「あ、おつかれっす。」
少しうつ向き気味で、前に居た男子も小さく自分の持っていた発泡酒の缶を挙げてみせる。
「咲、いつも話してる噂のイケメン一輝くん。咲は会うの初めてだよね?」
「あ、うん。咲です。CHERRY COKE HIGEでギターやっています。あ、あの一輝くんの話しは前から聞いていて…。」
「どんな話しだろ~、可奈さんどんな話ししてるんですか。」
「いや、なかなか一輝くんみたいなイケメンてこのジャンル居ないから、いつもスタジオの練習の時に噂するんだよね。」
可奈はぺろっと舌を出して、笑ってみせる。
その後、可奈と一輝はコンビニの前で、少しの間立ち話をしていた。
初めてみた一輝は、噂通りの鼻筋が通った綺麗な顔立ちをしていて、切れ長なのだかくっきりと二重に刻まれた瞳が印象的だった。
ナイロン製の上着を羽織って、自分で切り裂いたのであろうたっぷりとしたデニムをはいていて、腰には骸骨のヘッドが連なったチェーンをぶらさげていた。はきつぶされたマーチンが、とても良く似合っていた。