白の世界
彼女
新宿駅南口で、可奈とミホと待ち合わせをして、スタジオへ向かう。
この街の喧噪は、いつもあたしの不安な気持ちを打ち消してくれ、時にかき乱してくれる。
新宿に、存在しているとき、とても自然でいられる。
大勢の人の中に、紛れているとき、きちんと呼吸ができるのだ。
スタジオに到着し、ギターケースをおいたら、例のおしゃべりタイムに突入する。
「咲、最近一輝くんと、仲良しなんだって??」
可奈がにやけながら、そう話し始める。
「うん、まあね。って言っても、会ってお酒のんで、レコード聞いたりするだけだよ。」
「なんだかんだいって、結局一輝くんのこと好きになったね。あたしははじめから解っていたけど。」
可奈が、からかった口調であたしに言う。
「いつのまに、そんなことになってたんだ。一輝くんて、無口だよねぇ。ライブであってもあたしたちには、話しかけてくれないじゃん。」
ミホがベースに手をやりながら、のんびりと続ける。
「普段もあんな感じだよ〜。アルコールが入らないと、かなりテンション低くて、どうしようかと思うもん。だから、昼間でもなんでも、無理矢理飲ませるの。」
あたしは、一輝の話題になるのがうれしくて、それから随分と一輝のことばかり話してしまった。
一輝の事を、好きすぎて、たまに死にたくなる。
離れている時間が、不安すぎて、押しつぶされそうで。
生きている気持ちがしない。
一輝とは、とくに進展もなく、自分の気持ちばかりが大きくなっていくだけ。
だから、余計にどうしていいのかわからなくて、自分の気持ちに押しつぶされそうなのだ。
人を好きになるって、こんない苦しくて辛いことだったなんて、初めて知った。
楽しい時間は短くて、辛くて寂しい時間の方が多いのだ。
きっと、人を好きになるって、そういうこと。
思い通りにならない、一輝との関係にひとり、焦っていたのかもしれない。
この街の喧噪は、いつもあたしの不安な気持ちを打ち消してくれ、時にかき乱してくれる。
新宿に、存在しているとき、とても自然でいられる。
大勢の人の中に、紛れているとき、きちんと呼吸ができるのだ。
スタジオに到着し、ギターケースをおいたら、例のおしゃべりタイムに突入する。
「咲、最近一輝くんと、仲良しなんだって??」
可奈がにやけながら、そう話し始める。
「うん、まあね。って言っても、会ってお酒のんで、レコード聞いたりするだけだよ。」
「なんだかんだいって、結局一輝くんのこと好きになったね。あたしははじめから解っていたけど。」
可奈が、からかった口調であたしに言う。
「いつのまに、そんなことになってたんだ。一輝くんて、無口だよねぇ。ライブであってもあたしたちには、話しかけてくれないじゃん。」
ミホがベースに手をやりながら、のんびりと続ける。
「普段もあんな感じだよ〜。アルコールが入らないと、かなりテンション低くて、どうしようかと思うもん。だから、昼間でもなんでも、無理矢理飲ませるの。」
あたしは、一輝の話題になるのがうれしくて、それから随分と一輝のことばかり話してしまった。
一輝の事を、好きすぎて、たまに死にたくなる。
離れている時間が、不安すぎて、押しつぶされそうで。
生きている気持ちがしない。
一輝とは、とくに進展もなく、自分の気持ちばかりが大きくなっていくだけ。
だから、余計にどうしていいのかわからなくて、自分の気持ちに押しつぶされそうなのだ。
人を好きになるって、こんない苦しくて辛いことだったなんて、初めて知った。
楽しい時間は短くて、辛くて寂しい時間の方が多いのだ。
きっと、人を好きになるって、そういうこと。
思い通りにならない、一輝との関係にひとり、焦っていたのかもしれない。