白の世界
「そっか。・・・・・、友達・・・・。あたし、友達だったら、足りてたんだ。」

ふと、裕典の顔が浮かんできて、余計にせつなくて、悔しくて、どうしようもなくなってしまった。



もう、この場所に居るのが息苦しくて、一輝が背後でなにか叫んでいたけど、そんなのも耳に入らなくて、コンバースのかかとをふんずけて、部屋を出て、無我夢中で駅まで走った。



思考が、停止した。


一輝の名前だけは、呼んでいたけど、完全に思考回路は停止した。


















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