悩める乙女と冬の夜
【1】
その日私は、夜遅くまで会社に残っていた。
「三橋さん、お先」
「三橋ちゃん頑張るねーお疲れさま!」
軽やかな挨拶を残していく同僚たちの背中を見ながら、私はふうっとため息をついた。


私は三橋優莉(みつはし・ゆり)。社会人になって3年目の、中だるみ真っ直中の会社員なんです。

そう。
なんとか就職して今までやってきたけど、最近迷ってます。
もっと私に合う仕事があるんじゃないか、とか、私なんてこの会社にいない方がいいんじゃないか、とか…。
< 1 / 13 >

この作品をシェア

pagetop