悩める乙女と冬の夜
「悩みとか俺で良ければ相談に乗るし」

そこまで言って一旦黙った後、私の方を向いて慌ててこう続けた。

「あ、いや、周りに相談しやすい人がいればその人に話してみて」

「…」

展開が早すぎてついていけていない私。
そんな私を見て我に返ったのか、伊藤さんはそっぽを向いた。

「ごめん、俺何言ってんだ。急に変なこと言ってごめん」
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