花びら
日付が変わって
大部屋には浅井サンと私だけになった

「浅井サン。私、ちゃんと考えてみました。」

「おっ、そうなんだ。それでどうするん?」

「向き合ってみようと思って…」

「向き合う?付き合うじゃなくて?」

「はい…まだ保岡サンを先輩としてじゃなくひとりの男の人として好きかどうか分からないですけど…」
浅井サンはポンポンと私の頭を叩きながら
「いいんじゃない?付き合いながら保岡を知って好きになっていくのだっていいと思うよ」

そして浅井サンが保岡サンを呼び出してくれて、いつも浅井サンと一緒に帰る道を私は保岡サン歩いた

「こないだのことなんですが…」

保岡サンが私を見つめる

私は恥ずかしくて俯きながら話した

「まだ好きとか分からないです。保岡サンは優しくていい先輩って見てたので…でも私を想ってくださって嬉しくてその気持ちに応えたくて…ゆっくりでいいですか?」

そう言い切って私は保岡サンを見上げた
保岡サンはすごく照れた顔で
「ありがとう。ゆっくりでもいい。大切にするから」

そして私と保岡サンは付き合い始めた

4月が終わろうとしていた
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