花びら
「どっ、どうしたの?」
慌てる保岡サン

私は恥ずかしくて俯いたまま言った
「保岡サンが…保岡サンを…すっ」

言い終わる前に保岡サンが私を抱きしめた
そしてはぁ~という大きなため息

「いつも、ごめんなさいって言われたらどうしようって考えてた。今すごい幸せなんだけど…」

そんな風に思っていたなんて…
意外だった。
顔をあげると今にも泣きそうな保岡サンがいて
私は思わず微笑む
その私の頬に保岡サンの手が触れる

私は自然に目を瞑り
唇が重なる

4年ぶりのキス

幸せにしてあげたいと思った

22歳になった日
私はようやく前を向いて一歩を踏み出した

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