花びら
ケーキを半分食べ終えて会話が途切れる
保岡サンが私に触れ私は目をとじる

重なる唇
長い時間が流れる
フローリングの冷たさが心地いい

冷たさ…
ふと気づいて目を開ける

保岡サンが真剣な眼差しで私を見る

「大切にする」

私は頷いて
また唇を重ねる

保岡サンはゆっくりゆっくりと私にキスを落としていった

本当に大切にしてくれていることが分かるから
私も大切にしたいと思った

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