花びら
坂を下りきった時
後ろから懐かしい声がした

「里緒!!」
振り向かなくても誰なのかすぐに分かるから私は振り向けなかった

ずっとずっと会いたかった人
何度も何度も通話ボタンを押そうとした
でもそのたびに頑張るからの言葉で思いとどまった

ここに来たら会う可能性は高かった
恭介はここの学生だから…
私はまだどこかで期待してたのかもしれない

いつかを…
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