花びら
私は声のする方向を振り向いた

やっぱりそこには恭介がいた
4年を感じる
恭介は大人びていて少し背が伸びた気がする

「帰って来てたんだ。こんなとこでどうしたの?」
急いで降ってきて、少し汗ばんだ恭介が言った

私はうまく声が出せず
「…研究室が…大学院が…ここに決まったから…」

途切れ途切れの私の言葉に笑いながらおめでとうと恭介が言った。
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