花びら
高校が見たいと保岡サンが言う
私は戸惑いながらも向かった

高校は思い出がありすぎるから…
正門までの長い坂を手を繋ながら歩いた
今、私の隣には保岡サンがいる
辛いねぇと笑いながら登る
3年間通った道

「春はチェリーロードなんですよ」
懐かしい桜道を思い出しながら言う

「じゃぁ春に来たいね。また二人で来たい。」
そう言って保岡サンが照れながら笑う
私は頷いた

大丈夫、保岡サンなら一緒に歩いて行ける

フェンス越しにグランドを覗く
私と恭介が出会った場所

この場所にしまっておくよ
恭介との思い出全てを

保岡サンが私を後ろから抱きしめる

「どうしたんですか?」
「何考えてた?俺の知らない里緒菜だった…」
私は私を抱きしめる保岡サンの手を握る
「高校の思い出」
私は保岡サンから離れて正門まで走る
「保岡サン、早く!次はどこにします?」

バイバイ恭介
バイバイ私の幼い恋
保岡サンが笑いながら坂を登っている

強い風が吹いて私は目を一瞬瞑る
目を開けると保岡サンがいた

この人を大切にしようと誓った

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