花びら
恭介と出会ったのは高校2年の春だった
4月下旬
バドミントンの朝練に向かうために高校までの坂道を登っていた
坂を登りきろうとした時
急に風が吹いて桜吹雪で視界がふさがれた
目を開けるとそこにクラスの男の子がいた
切なげに桜を見上げていた
綺麗な横顔
見とれていた私に気づく彼

「あっ、おはよう」そう言ってすぐに明るい笑顔に戻る彼

「おはよう…南くんも朝練?」
「そう、今から朝練。桜が綺麗だったから見とれちゃった。」
そう言って正門から学校に入っていった。
恭介の切なそうな理由はあとから知る
その日が妹のさくらちゃんの命日だったと
私たちはさくらちゃんが会わせてくれたと思っていた
この出会いが私たちのきっかけだったから

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