花びら
窓から顔を私に向け真剣な眼差しの恭介
「あっ…えっと…別に何もないよ…」

「よかった…二人で戻ってきたらどうしようって思ってた…瀬尾鈍感なんだもん。」
そう言いながら頭をかく恭介
私はまだ意味が飲み込めず恭介を見つめる

「南くん…」
「瀬尾ってさぁ~みんな里緒菜って呼ぶよな?」
「う、うん」
「じゃあ、俺里緒にする。恭介でいいから」
そう言って恭介はニコッと笑った。
笑うと少し幼くなる恭介

「えっ??どういうこと…待って南くん」
立ち上がり扉に向かう恭介
私はカバンを持ちついていく
不意に恭介が止まって振り返る
「恭介!!一回しか言わないから、里緒が好きだよ」

かぁ~っと私の顔が赤くなるのが分かった

これが私たちの始まり
よく考えたら強引だった恭介
私の気持ちなんて聞いてないし
付き合おうって言われてないし返事もしてない

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