花びら
明日歌はしばらく呆然とし、そして
「里緒菜ってばか?」
そう言い放った
「私なら自分が邪魔するなんて考えない。離れていても支え合おうって思うよ。」
「私はできないと思った。繋がっていればわがままが増えるから…」

廊下からガタンと音がした

明日歌がドアを開ける
そこには保岡さんがいた
「立ち聞きですか?」
明日歌の声が強くなる
「ごめん」
そう真っ直ぐに私を見ながら保岡さんが言う
その姿を見て私はどうしたらいいか分からなかった
困っている私を見て明日歌が言う
「話し合ってきなさい。私が口出すことじゃない。」
そう言ってカバンを取りに机に向かう

「里緒菜、自分の気持ちをちゃんと整理するいいチャンスだよ。」
そう言って、立ち尽くしたままの保岡さんの横を通り保岡さんに何かいい帰って言った。

二人っきりの小部屋壁に掛けかけてある時計の秒針の音だけが響く

先に口を開いたのは保岡さんだった
「里緒菜、帰ろう」
そう言って私に手を差し出す
その手を取れない私幸せにしたいと思ったのに…
私は保岡さんを苦しめてる

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