花びら
窓側にあるベッドは朝日が眩しくて目覚ましがいらない
いつものように目が覚める
きつく抱きしめられたまま眠った私たち
朝ご飯の準備をしようとするが保岡さんの腕が振りほどけない
気持ち良さそうな彼を起こしたくなくて私腕の中から出るのを諦めた

顔を上げると保岡さんは笑顔で私をまた強く抱きしめた

そして離して枕のしたから何かを取り出し
クリスマスプレゼントと言って私の目の前に現れた封筒

それは旅行会社の封筒で中には京都行きの今日の夕方の新幹線のチケットが入っていた

「里緒菜の気持ちがどこにあるか分かってるから。彼にあってもしもお互いが同じ気持ちなら俺は諦めるよ。でも里緒菜の片思いなら一緒にいて欲しい。振り向かせるから!!だから帰ってちゃんと考えてほしいんだ。どんな結果でも受け入れるよ。」
そう言ってまた私を強く抱きしめる保岡さん
私は涙が止まらなかった

それから二人でブランチを食べて
私は帰る準備を始めた。
ベッドの下に隠していた私からのクリスマスプレゼントは紺色のニットのセーターだった
保岡さんは今は開けないでおくと言ってまたベッドの下にしまった

実験の合間に買いに行ったプレゼント
何がいいのか必死に考えた
紺色のセーター
保岡さんに似合う色
恭介にも似合っただろう
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