花びら
実家に着くと両親はびっくりしていた
今まで連絡せずに帰ったことがなかったのと私の目があかかったからだろう

久しぶりの自分の部屋
すぐに向かったのはタンスだった
一番下の引き出しの奥
ノートくらいの箱を取り出す
中には3冊のアルバムが入っている

その箱にもう一つ恭介との思い出をしまう
ずっと持ち歩いていたペアリング

小さな石の入った指輪

そっとアルバムの上に置いて蓋をした

サヨナラ
何度も別れを告げたのに
何度も同じことを繰り返す
でもこれが本当に最後だから
サヨナラ…恭介

明日この箱を埋めよう
< 56 / 65 >

この作品をシェア

pagetop