花びら
恭介がいた
私は恭介の腕の中に引き寄せられて
「ずっとずっとこうしたかったんだ。あの日、引き止めて一緒に頑張ろうって言えなかったこと、二人で院の合格祝いした帰り道に何も言えなかったことをどれだけ後悔したか…もしもまた会えたら偶然会えたらっていつも考えてたのに…会えたら何も言えなくて…待ってたらだめだって思ったんだ。里緒、もしも同じ想いならまた二人で歩かないか?あの時はまだ幼くて里緒の将来の邪魔になると思った。俺にも負けられない夢があったし。でも今俺は叶ったから、里緒の夢を叶える支えになりたいんだ。里緒」

恭介が抱きしめた腕を緩め、私の顔を覗く
待ち望んだ言葉
私はただただ頷き恭介の胸に顔をうずめた
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