花びら
歩く道
春からは一緒にいることを約束した。
新幹線のホーム
二人で並ぶ
繋いだ手から恭介の温もりを感じる
今は笑って帰れる
恭介は少し心配そうに私を見る。

「研究室に…」
そう言って言葉を飲んだ。
何を心配してるのか分かるから、私は繋いだ手を強く握った。
もう迷わないと決めた。自分に正直になると…
私は恭介が好き。
この気持ちはきっと変わらないし、誰にも譲らない、譲れない。

新幹線がホームに入ってきて、強く握っていた手を離す。
大丈夫、今の私たちは4年前とは違うから、私は恭介に背中を押されなくても歩いて行ける。
開いたドアに向かい振り向く。
寂しそうに笑う恭介、あの時は強がってたんだと改めて思うから私は恭介を一瞬抱きしめてから新幹線に乗り込む。
閉まるドア
寂しさで涙が溢れる。
でも大丈夫、きっともう離れるなんて言わない、春には戻ってくるよ。
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