ひなたぼっこ~先生の、隣~
プロローグ

職員室で、よく見る光景がある。

生徒指導の高橋先生が、電話機に向かって頭を下げている姿。

周りの先生たちは、"またか・・・"という表情をさせ、チラチラと高橋先生を見ている。

正確には、電話の内容を気にしているのだろうと思うけどー…

数分後、高橋先生は電話を切った。

受話器を置いたのと同時に、"ふう…"といつも息をつく。


そして周りの先生たちに報告をし、問題の生徒を呼び出すために放送室へと向かう。


「おっと・・・悪いな。妹尾」

「いえ・・・」


どんなに機嫌が悪くても、関係のない生徒にはいつも通りに接してくれる。


「みんな、お前みたいな生徒だったらいいのにな」


いつもそう言って、髪をくしゃっと撫でてくれる。


「そろそろ授業始まるから、早く教室戻れよ」

別れるときには、いつもニカッと笑い右手を挙げ去って行く。




そんな先生が、大好きです。




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