ひなたぼっこ~先生の、隣~
車は誰もいない公園の駐車場に停まった。
「…いきなり連れてきてごめんな」
シートベルトを外しながら、先生が前を向いたまま言った。
「いえ…」
泰葉もシートベルトを外す。
しばらく沈黙が続いた後、先生と目が合った。
「そういえば…私服姿初めて見たな」
ふっと笑って言った。
「私も先生の私服、初めて見ました」
「いつもと変わらないだろ?」
ハハハっと笑った。
「…いえ、先生じゃないみたいです」
泰葉は、俯きながら言った。
「おっさんに見える…?」
「違いますよ!なんていうか…」
「?」
「…いつもより、ドキドキしました」
赤くなりながら、消えそうな声で泰葉が言った。
「…妹尾は本当に、俺を喜ばせるのがうまいよな」
頭を掻きながら先生が言うと、逆の手で泰葉を抱き寄せる。