ひなたぼっこ~先生の、隣~
「…お前が聞きたかったことって、それ?」
泰葉は、ゆっくり頷く。
「…そうか…」
先生は小さな溜息をつく。
「麻生には、告白されてないよ」
"告白されてないよ"
「え?」
目を見開いて先生を見る。
「それらしき話は、他の生徒から聞いてたけど…噂は、噂だからな。本人が言わなきゃ真実じゃないよ」
「…」
そう…なのかな?
私から見て、今日の麻生さんは先生にアタックしてるように見えた。
香奈と立川くんが言ってたことは…真実に近いー…
「考え込むなって」
ぽんっと泰葉の頭を叩いた。
「俺が好きなのは、妹尾だから」
「…先生」
先生は、そっと泰葉を抱きしめた。
泰葉もゆっくり、先生の背中に手を回す。
「私も…先生が好きです」